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”金十丸”の話 [島のあれこれ]

特に忙しかったわけでも、病に伏していたわけでもないのですが、なんとなくダラダラとブログをサボってました。

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鹿児島とトカラ列島の島々、奄美大島を結んでいる

フェリーとしま

今の船は、2000年(平成12年)に就航したもの。毎夏この船に乗ってトカラの島々に渡るのを楽しみにしている。もちろん今年も...

この航路、悪石島の沖合いには、戦時中に撃沈された学童疎開船『対馬丸』が眠っている。

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対馬丸記念館@2009

『対馬丸』の悲劇を後世に語り継ぐための施設『対馬丸記念館』が那覇にあり、以前ここを訪れた。⇒ http://simayoibito.blog.so-net.ne.jp/2009-07-14

『対馬丸』が撃沈され多くの幼い命が犠牲になってから70年となる今年、天皇、皇后両陛下がこの記念館を訪問される方向で検討がなされているそうだ。

対馬丸が撃沈される前の日、同じ悪石島の沖合いでアメリカ潜水艦の追撃から逃れた疎開船があった。それが十島村村営の

金十丸(かなとまる)

十島村(三島村を含む)の島々に村営船『としま丸(蒸気船)』が就航したのが1933年(昭和8年)、その後、1942年(昭和17年)に就航したディーゼル船が『金十丸』。

第二次世界大戦末期には軍事輸送に駆り出され、当時アメリカの潜水艦が配備されていた危険な奄美と鹿児島の海域を幾度となく往復した。何度も潜水艦に追われながらも、逃げおおした『金十丸』とその船長は、奄美やトカラの島民から英雄として語り継がれている。そんな『金十丸』のことが書かれた本、

金十丸、奄美の英雄伝説―戦火をくぐった疎開船の数奇な運命

金十丸、奄美の英雄伝説―戦火をくぐった疎開船の数奇な運命

  • 作者: 前橋 松造
  • 出版社/メーカー: 南方新社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本

この本は、疎開船として『金十丸』に乗船して命を救われた奄美出身の方によって書かれたもの。
これを読んで、『対馬丸』以外にも多くの悲劇があったことを知った。

何故、『金十丸』は撃沈されずに、逃げおおせることができたのか... それは、運だけではなく、トカラの海域を知り尽くした前村船長とその操船技術によるとことが大きかったようだ...
また、『金十丸』に関わる逸話として、終戦後アメリカに接収された『金十丸』をシージャックして奪還する話や、奄美に本土の教科書が入ってこない中、教科書密輸にも活躍した話なども書かれていて興味深い。

そして、昭和30年半ばに売却された『金十丸』は、1963年(昭和38年)、西表島の船浮湾の入り口で座礁してその生涯を終えたそうだ... 西表島の船浮湾は何度も潜っているところ、この下りを読んだ時はなんかゾクっとするものを感じた。

数奇な運命をたどった『金十丸』。
フェリーとしまに乗るたびに、想うことだろう。

 

軍政下奄美の密航・密貿易

軍政下奄美の密航・密貿易

  • 作者: 佐竹 京子
  • 出版社/メーカー: 南方新社
  • 発売日: 2003/01/20
  • メディア: 単行本

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コメント 8

○

さすが島酔潜人さん、通だけあって物知りです。
トカラには色々と楽しい話もあれば、こんな隠れた秘話もあるんですね。読んでみたい本の中に入りました。
先日、BSで加計呂麻やってましたけど、歴史的にもいろいろ考えさせられる名残も残っているようで感動しました。

by ○ (2014-03-29 08:50) 

湯でイルカ

この本読んでみますね!とても興味があります。

by 湯でイルカ (2014-03-29 09:15) 

島酔潜人

>>〇-san
ぜひ、読んでみてください。
加計呂麻、又吉君のやつですか? 加計呂麻はすごくいいところです、確かお友達がいたんですよね。
by 島酔潜人 (2014-03-30 01:21) 

島酔潜人

>> 湯でイルカ-san

ぜひ読んでみてください、お勧めです。
by 島酔潜人 (2014-03-30 01:25) 

momomo

島酔さん、こんばんは。

金十丸のことは名前しか知らず、
そういうことだったのですね。勉強になりました。
船浮あたりは避難港だったようだけど、
あの狭い場所だと座礁もするでしょうね。
それにしても、さすが南方新社。
読みたくなりました。
by momomo (2014-03-31 01:09) 

島酔潜人

>>momomo-san

金十丸が、アメリカの潜水艦の攻撃をかいくぐって逃げ切るところは、『永遠の0』のゼロファイターのようで、ワクワクして読みました。
この本、ちょっと手に入りにくいかもしれませんが、お勧めです。
確かに、南方新社って凄いですよね。
by 島酔潜人 (2014-04-01 00:29) 

H-nick

おはようございます。
貴重な情報 ありがとうございます。
海が戦いの場となっていたこと
平和のために戦った人々がいたことを
忘れてはならないと思います。

一旦、戦いの場となれば厳しい海
平和な海であり続けて欲しいものです。
by H-nick (2014-04-01 10:37) 

島酔潜人

>>H-nick

戦争には、一言では語れないいろいろな悲劇がありますね。
そんな知らなかった話を、島で聞くことが時々あります。

このまま平和な世の中が続いて欲しいですね。
by 島酔潜人 (2014-04-01 12:26) 

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